介護度に関する課題も知っておこう

介護保険制度ができたことで、介護問題が可視化され、必要な対策が取られるようになりました。それでも、介護度が高くなることで発生する課題は多く、介護業界で働くのであればこれらの課題を知っておくことが大切です。

まずは、介護難民が発生するという問題があります。これは、要介護度の高い高齢者が増えているのに、介護ができる人材が不足していることが関係しています。この点、国では、地域密着で介護問題を解決できるよう、地域包括ケアシステムを設け、自治体が設ける地域包括センターを利用することで、介護の相談ができるようにしています。
こうした仕組みはできていますが、まずは高齢者本人の要介護度が高くならないように気を付けることも大切です。介護をしているとついつい色々と手を貸してしまいがちですが、本人ができることは見守るだけに止め、自分で行ってもらいましょう。自分のことは自分で行う意識を持っていると、介護度を上げることなく、健康寿命を延ばすことができるに違いありません。

さらに、高齢者の虐待も大きな課題になっています。できないことが増えたり、認知症が悪化したりして介護度が高くなると、高齢者への虐待が起きやすくなるようです。
このようなケースでは、同居する家族などが、いつまで続くかわからない介護に疲れ、時として介護うつを発症していることがあります。そのため、高齢者を取り巻く環境にも目を留めて問題解決を図ることが大切です。介護サービスを提供するときは利用者の家族とよく話をして、介護に関する悩みや不安の相談に乗ることが虐待防止に繋がります。